コラム:新入社員の「日中の眠気」に潜む理由と、リズムを整える3つの習慣
4月は多くの企業で新入社員研修が始まる時期です。産業医として活動する中で、この時期は人事担当者の方から「研修中に居眠りをしてしまう社員がいるが、どう対応すべきか」という相談を受ける機会が増えます。
研修中の眠気には、本人の自覚の有無にかかわらず、さまざまな背景が隠れている場合があります。
💤 眠気の背景にあるもの
産業医面談を通じて見えてくる原因は、決して本人の「やる気」の問題だけではありません。
• お薬の影響: 花粉症やアトピー性皮膚炎、あるいはメンタルヘルスの治療薬による副作用
• 疾患の可能性: 睡眠障害(ナルコレプシー等)や、環境の変化による適応障害
• 生活リズムの変化: 学生時代の夜型生活や、深夜までのアルバイトによるリズムの乱れ
特に、入社直前まで昼夜逆転に近い生活を送っていた場合、社会人の起床時間に体を即座に適応させるのは容易なことではありません。
🌙 睡眠のリズムを取り戻す「3つのルール」
精神科医としての知見から、朝起きるのが辛いと感じている方に、まずは次の3点を意識することをお勧めしています。
1. 眠くなってから床に就く
2. 起床時間は毎日一定にする
3. 昼寝をするなら15分以内にとどめる
✨ 「天然の睡眠薬」を活用する
このルールを始めた初日は、寝付くのが遅くなり、睡眠不足を感じるかもしれません。しかし、そこで日中の昼寝を我慢して夜を迎えると、2日目、3日目には非常に強い眠気が訪れます。
私はこれを「天然の睡眠薬」と呼んでいます。
「時間が来たから寝る」のではなく、体が自然に発する眠気に従うことで、睡眠の質は格段に向上します。このサイクルを継続することで、夕方以降に自然な眠気を感じられるようになり、日中の強い眠気も次第に落ち着いていくはずです。
新しい環境での生活は、心身ともに大きな負荷がかかるものです。
厚生労働省が策定した「睡眠12箇条」なども参考にしながら、まずは睡眠から自分を整えてみてください。
もし、生活リズムの改善だけで解決しない不安や悩みがあるときは、一人で抱え込まず、周囲の信頼できる方や身近な相談窓口に、ぜひ一度相談してみてください。
