家庭内の問題
について
(引きこもり支援・家族間の暴力・暴言・DV行為等を含む)

家庭内暴力には法律がどのように適応されるのか?

家庭内の暴力や暴言は、家庭というある種密室の中でなされること、長期的な同居生活の中でなされることから、家族の暴力や暴言について、家庭内で隠匿されがちで、その結果重大な他害行為に至ってしまうケースも少なくありません。また、家族の問題は家族が解決して当然だと考える方も多く、警察の介入を望まない方もいらっしゃいます。そのような違法な状況を放置しながら、DV行為によるストレスを我慢し続ける方がたくさんいます。そのような方が心療内科に長期間通院し、精神面だけのケアを受け、家庭内の問題が慢性化しているケースが多いのです。

【家庭内の暴力、暴言、DV行為の原因】
家庭内での暴力、暴言、DV行為の原因には、心理的なストレスやコミュニケーションの問題だけでなく、統合失調症やアスペルガー症候群、躁うつ病、自閉症、アルコール依存症などの精神疾患が背景にある場合があります。また、ひきこもりのケースでは挫折感や孤独感を原因として、認知症の場合には判断能力の低下を原因として家族間の暴力、暴言、DV行為に至ってしまうこともあります。また、家族が家族をケアする場合、慢性的な疲労感の中、衝動的にDV行為に至ってしまうケースもあり、乳幼児や高齢者への虐待もその一つの例と言えるでしょう。

【家庭内DVの精神分析】
家族同士は、心理的距離が近く、また周囲の環境から閉ざされた密室の中にあり、精神的な意味で自己中心的で依存的になりやすい状況にあります。つまり、世間には恥ずかしくて言えないようなこと、社会に知られたら罰せられるようなことが、家庭内では心理的な抵抗なく行われやすいのです。家庭には、安らぎやリラックス効果だけでなく、率直なコミュニケーションを生み出したり、お互いが良い刺激を与え合うようなど良い面もありますが、他方、この閉ざされた環境が人の幼児的で自己中心的な側面を引き出してしまうことも希にあるのです。

【引きこもりの問題】
一般にひきこもりとは、①6か月以上社会参加していない、②幻覚や妄想などが原因ではなく、非精神病性の現象である、③近所に外出していても対人関係がない場合を「ひきこもり」と言います。厚生労働省によると、ひきこもりの世帯は、現在32万世帯と推計されており、平成21年度から第一次相談窓口として「ひきこもり地域支援センター」が整備されるなど、国としても積極的な取り組みがなされています。ひきこもりの背景には、個人と家族、社会の関係性の変化、コミュニケーションの低下があると言われ、引きこもりの支援は1.家族相談、2.個人へのカウンセリング、3.社会適応に向けた支援、の順に進められることが一般的です。まずはご家族が家庭外で家庭内の問題を話し合える場を確保することが重要であると言えます。

【法的にみた家庭内の暴力行為】
家庭内の暴力であっても、暴行罪や傷害罪等が適応される可能性があり、決して許されるべき行為ではありません。しかし、実際には、家族という関係性のため、なかなか警察を介入させることに抵抗感があり、我慢してしまう方も多数います。しかし、家庭内の暴力行為を放置した結果、暴力行為がエスカレートし、入院を要する程の外傷や命に関わるケースが発生することもあります。家庭内の暴力行為は、軽度だからといって楽観することはできません。
配偶者から暴力を受けている方の場合には、配偶者からの身体的暴力を防ぐため、配偶者に対して、自分に近寄らないように裁判所から命令を出してもらう「保護命令」という制度があります。この保護命令に配偶者が従わなかった場合には、その配偶者は刑事処罰を受ける可能性があります。これは一例ですが、家庭内での暴力行為を防ぐために様々な制度、公的機関が存在します。これらの制度や公的機関を活用するためには、家庭内の暴力行為が存在する場合には、法律の専門家に相談し、このようなことで警察に通報できるのか、児童相談所に通報することができるのか等、どのような証拠を取得すれば良いのか、等具体的な状況を踏まえてアドバイスを受けることが大切となります。当社では、家庭内の問題に明るい弁護士と提携し、家庭内の問題に悩まれているお客様にとって最良のご相談を受けることができるようなサービスを提供させて頂いております。

【家庭内暴力に関わる関係法令及び相談機関】
〈関係法令〉
暴行罪(刑法208条)
傷害罪(刑法204条)
児童虐待防止法
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
高齢者虐待防止法
児童福祉法

〈相談機関〉
警察署
児童相談所
保健所
地域包括支援センター
配偶者暴力相談支援センター
女性センター
婦人相談所
福祉事務所