コラボ面談とは、多職種の専門家によってなされるカウンセリングサービスです。コラボ面談では、情報の整理と問題の本質を解きほぐす作業が、より多面的・包括的となり、そこから得られる知的洞察は奥深く視野の広いものとなることが期待できます。また、一つの問題を領域横断的に検討することで、複数の専門領域をまたいで課題をリストアップすることができ、課題の優先順位や位置付けも明確にすることができます。例えば、パワハラによってメンタル不調となった方が精神科を受診し、その後、法律事務所で法律相談をしたとします。その場合、クライアントは同じ話を二度する必要があるだけでなく、弁護士は精神科医の見解を、精神科医は弁護士の見解を、直接的に知ることができません。そのため、それぞれの専門家が別々にカウンセリングや助言をしている場合には、どうしても自分の専門領域の範疇で助言してしまいがちとなり、各専門家の問題解決能力が十分発揮されない要因となり得ます。
また、問題解決にあたっては、法的な問題が優先されるのか、精神的な問題が優先されるのかという課題の優先順位が重要であるにもかかわらず、各専門家と別々に面談をしている場合には優先順位を判断することが困難となります。弁護士の見解は法的には正しいけれど、精神衛生上極めて負担が高い場合もあります。逆に、精神科医の助言は気持ちの安定のためには有効だけれど、法的解決を遅らせる場合もあります。しかし、問題が起こった時の初期判断は、問題解決を図る上で重要であり、可能な限り初期段階で最終的なゴールを見据えて今後のことを検討することが望まれます。コラボ面談では、例えば、弁護士と精神科医が同席の上でカウンセリングを受けることができ、クライアントは、問題をより幅広い視野で俯瞰することができるようになります。コラボ面談では、複数の専門領域にまたがる問題を、様々な専門家が同時に対応することで、クライアントに対して知的かつ情緒的なサポートが可能となります。